料理の「さしすせそ」完全ガイド|順番の理由・例外・入れ方のコツ
はじめに、料理の「さしすせそ」は和食の基本知識として広く語られてきた、味付けの順番を覚えるための合言葉です。さらに、国立国会図書館のレファレンスでは「成立や由来を特定できる資料は見当たらない」とされ、出典は不明だが家庭で定着してきた記憶術だと整理されています。とはいえ、現代の台所では十分に実用的です。また、「せ=醤油」は歴史的仮名遣いで「せうゆ」と書かれてきたため、なぜ“しょうゆ”なのに“せ”なの?
という疑問にも筋道が通ります。
以上をふまえ、原則は原則、運用は目的次第です。すなわち、現代の調理では“狙う味”や“時間”に合わせて順番を入れ替える柔軟さが大切。だからこそ、「いつも味が決まらない…」と感じる人ほど、まずは基本の順番を持ち、次に微調整の型を覚えるのが近道です。本記事では、基本 → 理由 → 例外の動かし方 → 使いやすい比率 → 失敗リカバリ → 保存・衛生の順で、読みやすく実践的にまとめます。
料理 さしすせそ結論ダイジェスト
まずは全体像をサッと押さえましょう。ここを起点に、あとから理由や例外を積み上げれば迷いが減ります。
- 原則:浸透しにくい順→香りは最後。つまり「砂糖→塩→(酒/みりん)→酢→醤油→味噌」。
- 例外:一方で、炒め物や短時間調理では“香りもの”を最後1分で入れて香りを残す。
- 実務:まずは基準比率で作り、つづいて少量追加→再味見を2〜3回くり返す。
※目標の味や所要時間に合わせて順番を入れ替えてOK。原則を“出発点”に、目的から逆算しましょう。
料理 さしすせそとは?(役割と期待効果)
次に、各調味料がどのポジションを担うのかを整理します。役割がわかると、味見の直後に「足すならどれか」を判断しやすくなります。
| 要素 | 主な役割 | 向く料理 | 入れる目安 |
|---|---|---|---|
| さ:砂糖 | 一体感・コク・照りを出す | 煮物・照り焼き | 序盤〜中盤(浸透に時間) |
| し:塩 | 味の輪郭を作る・味を締める | 下味・茹で塩・仕上げ | 下味/仕上げの二段使い |
| す:酢 | 後味を軽く・キレ・色止め | 和え物・マリネ | 中盤〜仕上げ(加熱で酸が丸く) |
| せ:醤油 | 旨味・香り・色をのせる | 煮物・炒め物 | 中盤(含ませ)/仕上げ(香り) |
| そ:味噌 | 発酵のコク・厚み | 汁物・煮込み | 仕上げ(沸騰直前〜火止め) |
料理 さしすせそ順番の理由(科学的背景の超要約)
では、なぜこの順番が基本なのでしょうか。結論から言うと、浸透の速さと香りの揮発という2軸で説明できます。
砂糖→塩の順が基本になるわけ
まず砂糖は、全体になじむまでに時間がかかります。そこで先に砂糖で“丸みの土台”を作り、つづいて塩で“輪郭のキレ”を加えると、甘さだけが浮いたり塩だけが立ったりしにくくなります。結果として、味が暴れずまとまりやすくなります。
酢・醤油・味噌を後ろに置く理由
さらに、酢は加熱で酸味の角が丸くなります。一方、醤油と味噌は香気成分が熱で飛びやすいので、香りを残すには後入れが有利です。中盤で入れて含ませれば“深さ”が出る一方、最後に少量たらせば“香りが立つ”――目的で使い分けましょう。
料理 さしすせそ例外と使い分け(料理法・目標味で変える)
とはいえ、普段作る家庭料理では例外が普通です。だからこそ、調理法ごとの“並べ替え”をあらかじめ決めておくと、迷いが消えます。
煮物:含ませ重視の中盤投入
煮物は“中まで味を届ける”料理。まず土台、次に色と旨味、最後に香り――という三段構成が安定します。
- 序盤:砂糖→塩(味の土台)
- 中盤:醤油(色と旨味を含ませる)
- 仕上げ:追い醤油を数滴(香りを立たせる)
炒め物:香りと水分コントロール
炒め物は時間との勝負です。終盤で香りをまとめつつ、余分な水分を飛ばすと味が締まります。
- 終盤1分で醤油や酢を鍋肌に回しかけ、湯気と一緒に水分を飛ばしながら香りを残す。
和え物・ドレッシング:浸透→酸→油
サラダや和え物は“水っぽさ”との戦いでもあります。あらかじめ余分な水を抜くと、味が散りません。
- 葉物は軽く塩でもみ、水気を取ってから酸と油を合わせると味がボケにくい。
“外しにくい”比率テンプレ(まずはここから)
ここからは実戦用の“地図”です。まずはテンプレ通りに作り、それから家の好みに寄せていきましょう。動かす量は小さく、段階的に。
- 和風煮物:出汁10:醤油1:みりん1:砂糖0〜0.5(薄味スタート→煮詰めで調整)
- 照り焼き:醤油1:みりん1:酒1:砂糖0.5(煮詰めて照り出し)
- 酢の物:酢:砂糖:塩=4:2:少々(酸が強い→砂糖 or 軽く加熱)
- 香味だれ:醤油2:酢2:砂糖1:ごま油1+長ねぎ・生姜
- みそ汁:出汁に対して塩分0.6〜0.8%を起点(具材量で微調整)
実践の手順(少量追加→再味見の型)
結局のところ、上手さは“同じ型を何度も回す”ことで育ちます。そこで、迷わない段取りを固定しましょう。
- 基準比率で仕込む:計量スプーン&スケールを必ず手元に。
- 中盤で味見:不足(塩/酸/甘/香り/旨味)を“一点だけ”決める。
- 少量追加:小さじ1/4ずつ→30秒加熱→再味見。
- 香りは最後:醤油・ごま油・柑橘は終盤〜火止め後に。
- 記録:今日の比率・火加減・反省を1行メモ→次回に反映。
シーン別ミニサンプル(順番つき)
続いて、よく作る料理を“そのまま写せる”短い手順に。まずはコピー、それから微調整、の順で上達します。
大根の含め煮
やさしい甘さと美しい色を両立。落し蓋で均一に味を入れます。
砂糖→塩→出汁とみりん→中盤で醤油→落し蓋→仕上げに追い醤油少量。
野菜炒め
食感と香りを同時にキープ。火の通りで“入れる順”を変えます。
油→香味(にんにく等)→硬い野菜→やわらかい野菜→塩→仕上げに醤油を鍋肌へ。
きゅうりの酢の物
“塩もみ→しぼる”で水っぽさを防ぎます。甘酢は軽く加熱すると角が取れます。
塩もみ→水気を絞る→甘酢(酢+砂糖+塩)で和える。
みそ汁
香りを守る最短ルート。火を止めてから溶き入れるだけで、風味がグッと残ります。
出汁+具→火を止めて味噌→ひと混ぜで完成。
よくある失敗と即リカバリ
「やり過ぎた!」と思ったら、まず深呼吸。そして“一点補正→少量→再味見”の順で戻します。
- しょっぱい:無塩の出汁・湯・野菜で薄める → 甘味 or 酸を少し足してバランス変更。
- 甘すぎ:塩ひとつまみ → 酸を数滴 → 強火で軽く香ばしさ。
- 酸っぱすぎ:砂糖・油・加熱で角を丸める(乳化を意識)。
- ぼやける:塩粒→旨味(醤油・出汁少量)→香り(胡椒・柑橘)。
調味料の保存・衛生(再現性を上げる土台)
同じ比率でも、調味料が劣化していれば味は決まりません。だからこそ、保存と衛生は“おいしさの貯金”です。
- 醤油:開栓後は遮光・密閉・低温が基本(ボトルの表示で常温可の場合も)。
- 味噌:乾燥・酸化を避けて冷蔵(冷凍可)。
- 油:遮光・低温・密閉。小容量で回転率を上げると酸化しにくい。
- 衛生:「付けない・増やさない・やっつける」。解凍は冷蔵 or 電子レンジ、再加熱は中心までしっかり。
- 期限表示:“消費(安全)”と“賞味(品質)”を区別し、先入れ先出しでムダを減らす。
FAQ(よくある質問)
Q. さしすせそは絶対ルールですか?
結論から言うと、最初の並べ方です。目的に合わせて動かしてOK。
A. 原則ですが、調理法・香りのゴール・調理時間で入れ替えます。とくに炒め物は香りを残すため、最後寄せが有効です。
Q. 減塩でもおいしくできますか?
塩味を下げたら、ほかの要素で満足度を補いましょう。
A. 出汁やきのこ・昆布などの旨味、酢や柑橘の酸、香味野菜・スパイスを活用すると、塩分控えめでも物足りなさをカバーできます。
Q. みそ汁は煮立てたらダメ?
香りを守るなら“火を止めてから”が基本。ただし、目的次第で調整も可能です。
A. 一般には火を止めてから溶き入れるのがおすすめ。香り重視なら仕上げ投入、コクを前に出したい煮込み料理なら運用を変えてもOKです。
料理 さしすせそチェックリスト
最後に、冷蔵庫に貼れるミニまとめ。毎回のキッチンで“同じ動き”を作りましょう。
- 今日覚える比率は1つだけ→明日もう1つ。
- 香りは最後1分 or 火止め後。
- 「少量追加→30秒→再味見」を必ず回す。
- 保存は遮光・密閉・低温+先入れ先出し。
一次情報・参考リンク
保存や衛生、旨味の考え方は最新の公式情報で確認しましょう。以下は基本の一次情報です。


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