料理用温度計の使い方:肉・揚げ物・パンのベスト温度早見表
料理用温度計は“家庭料理の精度を一気に引き上げる”最強ツール。
つまり、「火が通ったつもりがまだ生だった」「揚げ物がいつもベチャっとする」——そんな悩みは、温度計を1本持つだけでほぼ解決できます。
本記事では、料理用温度計の正しい使い方肉の安全温度・揚げ物の油温・パンの内部温度まで、今日から使える知識を一次情報とともに整理して解説します。
料理用温度計の使い方 はじめに|温度がわかると料理は驚くほど安定する
まず知っておきたいのは、料理が失敗しやすい原因の多くは「色や感覚に頼る」ことにあります。
しかし、温度計を使うと火入れの状態が“数値化”され、再現性が一気に高まります。
さらに、中心温度を確認することは食中毒リスクを下げるうえでも重要です。特に鶏肉やひき肉は、食品衛生上「中心75℃1分保持」が安全ラインとして示されています。
料理用温度計の使い方 まず結論|肉・揚げ物・パンのベスト温度早見表
肉の中心温度(安全温度)
| 食材 | 中心温度の目安 |
|---|---|
| 鶏肉 | 75℃で1分保持(必須) |
| 牛・豚ひき肉 | 75℃で1分保持 |
| 豚肉ロース | 63〜68℃(しっとり) |
| 牛ステーキ(レア) | 50〜52℃ |
| 牛ステーキ(ミディアム) | 55〜57℃ |
揚げ物の油温
| 温度帯 | 向いている食材・調理 |
|---|---|
| 150〜160℃(低温) | 野菜・いも類・甘い衣 |
| 170〜180℃(中温) | 唐揚げ・とんかつ・天ぷら |
| 190℃(高温) | 最後の仕上げでカリッと |
パン・焼き菓子の内部温度
| 種類 | 内部温度 |
|---|---|
| 食パン | 93〜96℃ |
| シフォンケーキ | 90〜92℃ |
| 菓子パン | 88〜92℃ |
温度計の種類と選び方|初心者は1本でOK
料理用温度計にはいくつか種類がありますが、まずは用途に合った1本を持つだけで十分です。
- デジタル瞬間温度計:肉の中心温度に最適、応答速度が速い
- 油用クリップ温度計:鍋に固定でき、揚げ物の油温管理に最適
- オーブンプローブ温度計:ローストビーフや低温調理で活躍
肉料理|中心温度で“完璧な火入れ”が決まる
牛ステーキ
ステーキは見た目では火入れを判断できません。中心温度で焼き加減が決まります。
| 焼き加減 | 中心温度 |
|---|---|
| レア | 50〜52℃ |
| ミディアム | 55〜57℃ |
| ウェルダン | 65℃以上 |
刺す場所は「一番厚い中心部」。余熱で2〜3℃上がるため1〜2℃低めで止めるのがコツです。
鶏肉(安全基準が最重要)
鶏肉は色では火入れを判断できません。食中毒予防のため、必ず75℃で1分保持が必要です。
ひき肉・ハンバーグ
内部が生焼けになりやすいため、ステーキより厳しく75℃以上が必須です。
豚肉
- しっとり仕上げ → 63〜68℃
- 完全加熱 → 71℃以上
揚げ物|油温が分かると失敗が激減する
揚げ物のほとんどの失敗は「油温の推測ミス」が原因です。
油温帯の役割
| 温度帯 | 特徴 |
|---|---|
| 150℃ | じっくり火を通す。野菜・芋類に最適 |
| 170〜180℃ | 唐揚げ・とんかつなど定番。最も多用する温度帯 |
| 190℃ | 仕上げをカリッとさせる高温域 |
測り方のコツ
- 鍋底につけない(温度が高く表示される)
- 食材投入直後は10℃ほど下がるので焦って加熱しない
- 油の中心〜表面の温度を均等にみる
二度揚げの温度
一度目150℃ → 二度目180℃。この温度差が“プロのサクサク”を生みます。
パン・焼き菓子|内部温度で“焼けた”が正確にわかる
竹串チェックより正確に焼き上がりを判定できるのが内部温度です。
| 種類 | 焼き上がり内部温度 |
|---|---|
| 食パン | 93〜96℃ |
| シフォンケーキ | 90〜92℃ |
| 菓子パン | 88〜92℃ |
温度が低いと生焼け・重い食感になりやすく、高すぎるとパサつきの原因になります。
温度計の正しい使い方|刺す位置・扱い方の基本
- 厚みのいちばんある部分に刺す
- 骨や脂身は避ける
- 表示が安定するまで数秒待つ
- 使用後はアルコールで消毒
料理用温度計の使い方 初心者が買うべき「まず1本」の温度計はこれ
温度計にはさまざまな種類がありますが、結論から言うと「折りたたみ式・瞬間表示タイプ」が最初の1本として最適です。
理由は、料理初心者でも使いどころが多く、肉・揚げ物・パン・お菓子まで幅広く対応できるからです。
初心者に最適な“瞬間表示タイプ”とは?
プロの厨房でも使われる、先端が細いスティック型温度計。食材に刺した瞬間に温度が表示されるため、火入れのタイミングが見える化できます。
- 1〜3秒で温度が表示される
- 先端が細く、肉の肉汁が流れにくい
- 折りたたみ式なら収納しやすく衛生的
- 2,000〜3,000円台で良品が手に入る
特に鶏肉や豚肉など、加熱不足が気になる食品の安全確認に最適です。
このタイプが“最強”な理由
多くの人が揚げ物・炒め物・肉の火入れで失敗するのは、目視や勘頼りになってしまうからです。
瞬間表示の温度計があると、
- 鶏むね肉 → 68〜72℃でしっとり加熱
- 豚ロース → 63〜65℃でジューシー
- ハンバーグの中心温度 → 75℃で安全確認
- 揚げ油 → 160/170/180℃を正確にキープ
というように、「ちょうどいい温度」が再現できます。
つまり、料理の失敗が確実に減ります。
具体的な選び方(失敗しない基準)
価格よりも、測定スピードと使いやすさを優先してください。
以下の条件を満たす温度計なら“買って失敗しません”。
- 応答速度:1〜3秒
- -50〜300℃まで対応(揚げ物とパンに必須)
- 防滴・防水(キッチンは水濡れが多い)
- バックライトつき(鍋の上は暗くなりやすい)
- 自動電源OFF付き(電池節約)
Amazonで2,000〜3,000円台のベストセラー温度計は、ほぼこの仕様を満たしています。
逆に「最初は買わなくてOK」な温度計
料理初心者には不要な温度計もあるので、混乱しないように整理しておきます。
- 砂糖の温度計(シロップ・飴用) → お菓子専門で使うため、通常の家庭料理では不要
- オーブン用の庫内温度計 → 調整が難しいため、慣れてからで十分
- クリップ付きの大型油温計 → 瞬間表示タイプで代用可能
最初から多機能を買うより、まず“1本で全部できるタイプ”がおすすめです。
最後に|温度計は“料理の成功率を上げる道具”
火入れに自信がない人ほど、温度計を1本持つだけで料理の仕上がりが安定します。
プロが温度を見ながら加熱するのは、再現性と安全性のため。
初心者でも温度を可視化すれば、誰でも“理想の火加減”に近づけます。
まずは「1〜3秒表示の折りたたみ式温度計」を手に入れてみてください。
今日からあなたの料理が、確実においしくなります。
よくある失敗と“温度”での解決法
| 失敗例 | 原因 | 温度での解決 |
|---|---|---|
| 鶏肉が生 | 中心温度不足 | 75℃まで加熱し1分保持 |
| ステーキが固い | 火入れ過多 | 55℃前後で止めて余熱で仕上げる |
| 揚げ物がベチャつく | 油温が低い | 170〜180℃をキープ |
| パンが生焼け | 内部温度不足 | 93℃以上まで焼く |
低温調理器・電気鍋など“温度管理に強い”調理器具
料理で一番難しいのは「温度をキープすること」です。そこで、家庭でもプロ並みの火入れを再現できるのが、近年普及している温度管理調理器具です。肉の火入れ・煮込み・スープ作りまで、誰でも失敗しにくくなるのが特長です。
低温調理器
一定温度の湯に食材を浸して加熱する調理法。特に肉の火入れが圧倒的に安定します。
- 温度誤差が±0.1〜0.5℃と非常に小さい
- 鶏むね肉が驚くほどしっとり仕上がる
- ローストビーフも失敗しない
● よく使う温度例
| 食材 | 温度 | 時間 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉 | 60℃ | 1.5〜2時間 |
| 豚ロース | 63℃ | 2〜3時間 |
| ローストビーフ | 55℃ | 2時間 |
※ 低温調理の場合でも食品衛生の観点から、厚生労働省が示す「中心75℃・1分保持」の指針を理解したうえで安全に行いましょう。
電気圧力鍋(自動調理鍋)
続いて、「ほったらかし調理」の代表格である電気圧力鍋。最近は温度設定が細かくできるモデルが増え、煮込み料理や低温調理にも対応できるようになっています。
- 一定温度に保つ「スロー調理」機能が便利
- 圧力・温度・時間を自動制御するため失敗しにくい
- 火を使わないので安全性が高い
● 得意な料理
- カレー・シチュー
- サラダチキン(60〜70℃の低温調理)
- 角煮・煮魚(温度一定で味が染みる)
温度調整式フライヤー・IH調理器
揚げ物を安定させたい人に特におすすめ。油温が±1〜2℃で保たれるため、唐揚げや天ぷらの「温度ムラ」がなくなります。
- 170〜180℃を自動キープ
- 火を使わずキッチンが安全
- 初心者でも“カリッ”と揚がる
温度計と組み合わせると“最強”になる
これらの調理器は温度制御が得意ですが、仕上がりの最終確認には温度計を併用すると失敗確率はほぼゼロになります。
- 低温調理 → 取り出して中心温度を確認
- 電気鍋 → 食材の内部温度で仕上がりを判断
- 揚げ物 → IHの表示温度+油温計でダブル確証
「器具の温度」=「食材の温度」ではないため、温度計と併用することで“プロの仕上がり”が再現できます。
温度計の校正方法|家庭でできる“精度チェック”
どれだけ良い温度計でも、使用を続けるうちに少しずつ誤差が生まれることがあります。
そのため、定期的に「氷点法」と「沸点法」で校正すると、常に正確な温度で調理ができます。
以下では、家庭で安全にできる2つの方法を紹介します。
① 氷点法(0℃での確認)──もっとも簡単で安全
氷と水を使い、温度計が0℃を指すかどうかを確認する方法です。
揚げ物用の高温を再現する必要がないため、初心者でも安心して行えます。
- コップに砕いた氷をぎっしり入れる
- 氷が浸る程度に少量の水を加える(氷水“スラリー”を作る)
- 温度計の先端を氷水の中央に入れる(底に触れない)
- 30〜60秒ほど静置し、温度が安定するのを待つ
正常値:0℃ ±1℃ が目安
もし 0℃ から1〜2℃ずれている場合は、その誤差を「クセ」として覚えておき、
調理時に±調整して使います。
② 沸点法(100℃での確認)──より正確性を確かめたい人向け
鍋で沸騰したお湯につけて、温度計が100℃付近を指すかをチェックする方法です。
ただし、高温で危険が伴うため、火傷に十分気をつけて行ってください。
- 鍋に水を入れ、しっかり沸騰させる(ぐらぐらした沸騰状態)
- 温度計の先端を沸騰した湯に入れる(鍋底には触れない)
- 数秒〜10秒ほど待ち、表示が安定するのを確認する
正常値:98〜100℃(標高や気圧で変動します)
平地では 100℃ が基準ですが、標高が高い地域では沸点が下がることがあります。
たとえば標高1000mでは約96〜97℃になります。
③ 校正後の扱い方(習慣にすると精度が安定)
- 月に1回、もしくは新品購入時に必ず校正する
- 落下や衝撃を与えた後は再チェック
- 使用後は水分を拭き取り、センサー部を傷つけない
- 油跳ねが多い現場では「表示に遅れ」を感じたら再校正
温度を正しく把握することは、料理の再現性と安全性の両方につながります。
校正は難しくありません。むしろ、たった数分で温度計の信頼度が大きく向上します。
料理用温度計の使い方 まとめ|温度計は“料理のチートツール”
温度計があるだけで、火入れが安定し、食中毒リスクが下がり、料理の成功率が劇的に上がります。
特に「ステーキ」「唐揚げ」「パン」は温度が結果を左右する代表例です。
- 肉:中心温度で安全&食感を両立
- 揚げ物:油温で成功率が変わる
- パン:内部温度で焼き上がりの見極めが可能
今日の一品でまずは1回、温度計を使ってみてください。
数値で料理が理解できるようになり、楽しさと再現性が大きく変わります。


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